アクリレーツ/アクリル酸アルキル(C10-30)クロスポリマーは眼刺激性あり|日焼け止めの成分チェック

アクリレーツ/アクリル酸アルキル(C10-30)クロスポリマーは、アクリル酸(化学式C3H4O2、モル質量72.06 g/mol、密度1.05 g/cm³の無色透明の液体)または、メタクリル酸(化学式C4H6O2、モル質量86.06 g/mol、密度1.02 g/cm³の無色液体)とアクリル酸アルキル(C10~C30)が、特殊な結合で、架橋共重合したものです。




成分概要と特徴

アクリレーツ/アクリル酸アルキル(C10-30)クロスポリマー(Acrylates/C10-30 Alkyl Acrylate Crosspolymer)は、アクリル酸(化学式C3H4O2、モル質量72.06 g/mol、密度1.05 g/cm³の無色透明の液体)または、メタクリル酸(化学式C4H6O2、モル質量86.06 g/mol、密度1.02 g/cm³の無色液体)とアクリル酸アルキル(C10~C30)が、特殊な結合で、架橋共重合したものです。

 

化粧品では、増粘剤、安定剤として使用されるもので、水によく溶け、医薬部外品では「アクリル酸・メタクリル酸アルキル共重合体カルボキシビニルポリマー」や「アクリル酸・メタクリル酸アルキル共重合体」と呼ばれる場合もあります。

 

アクリレーツ/アクリル酸アルキル(C10-30)クロスポリマーの危険性

アクリレーツ/アクリル酸アルキル(C10-30)クロスポリマーは、水によく溶けて、膜を形成する性質があります。このため「アクリレーツ/アクリル酸アルキル(C10-30)クロスポリマー」を含んでいる化粧品を目に入れるのは絶対に避けてください。

The ocular irritation potential of acrylates/C10-30 alkyl acrylate cross polymer (as Carbopol ETD) was evaluated using groups of 3 albino rabbits.43 The test material, undiluted and as a 1% neutralized solution (pH 6.9-7.0), was instilled into the conjunctival sac of 1 eye of each rabbit per group; the contralateral eyes served as a control. The eyes were not rinsed. The undiluted test material produced slight to moderate corneal and conjunctival irritation which cleared by day 7. Slight iridal and conjunctival irritation was observed with the 1% solution. All signs of irritation cleared within 72 hours.

引用元:https://journals.sagepub.com/doi/full/10.1177/1091581817707927

眼刺激性があり、微量であれば異物として排出されるはずですが、コンタクトレンズの併用、ICL治療をした人などでは、アクリレーツ/アクリル酸アルキル(C10-30)クロスポリマーが膜を作ってしまう作用が、より大きな健康被害を起こす可能性があります。

 

研究が少なく、安全である保証がないため、アクリレーツ/アクリル酸アルキル(C10-30)クロスポリマーが入っている化粧品は目に入れないようにしてください。

 

アクリレーツ/アクリル酸アルキル(C10-30)クロスポリマーの急性毒性

うさぎの場合、アクリレーツ/アクリル酸アルキル(C10-30)クロスポリマーのLD50は、

(皮下)LD50:> 2.0グラム/ kg

で、他の化粧品成分に比べればまだマシな方です。

 

ラットの場合、アクリレーツ/アクリル酸アルキル(C10-30)クロスポリマーのLD50は、

(経口)LD50:> 10グラム/ kg

で、体重1kgあたり10gと、かなり量が多いため、そこまで危険ではないと判断できます。

 

アクリレーツ/アクリル酸アルキル(C10-30)クロスポリマーの吸入毒性

In an industry MSDS for acrylates/C10-30 alkyl acrylate cross polymers (as Pemulen TR-1), a 2-year inhalation study in which rats were exposed to a respirable, water-absorbent sodium polyacrylate dust is described under toxicological information. Lung effects such as inflammation, hyperplasia, and tumors were observed.39 There were no observed adverse effects at exposures of 0.05 mg/m3.

引用元:https://journals.sagepub.com/doi/full/10.1177/1091581817707927

2年間の継続した吸入暴露で、炎症、過形成、腫瘍の発生があったとのことですが、0.05 mg/m3の範囲では何も問題はなかったとのことです。

 

アクリレーツ/アクリル酸アルキル(C10-30)クロスポリマーの遺伝毒性

Acrylates/C10-30 alkyl acrylate cross polymer, tested at 156 to 500 µg/plate in dimethyl sulfoxide, was not mutagenic in an Ames assay with Salmonella typhimurium TA98 and TA100.23 It is not stated directly, but it appears that the studies were performed with and without metabolic activation.

引用元:https://journals.sagepub.com/doi/full/10.1177/1091581817707927

上記の通り、遺伝毒性は何ら示されなかったとされていますが、人間やラットの実験ではないので、断定するには情報が不足しています。

 

アクリレーツ/アクリル酸アルキル(C10-30)クロスポリマーの発がん性

アクリレーツ/アクリル酸アルキル(C10-30)クロスポリマーに発がん性はなかったと記載されていましたが、詳細の実験に関する情報が足りず、断定はできません。遺伝毒性がほとんどないことを考えるとおそらく問題はないと思われます。

 

アクリレーツ/アクリル酸アルキル(C10-30)クロスポリマーに残留するベンゼンなどの物質が発がん性を示す可能性があるため、品質の悪いアクリレーツ/アクリル酸アルキル(C10-30)クロスポリマーを含んでいる可能性がある場合(例えば、極端に価格が安いなど)、安全性を保証できません。




出典・引用

Safety Assessment of Cross-Linked Alkyl Acrylates as Used in Cosmetics

https://journals.sagepub.com/doi/full/10.1177/1091581817707927

Diffusion of preservatives from topical dosage forms’ A comparative study

https://citeseerx.ist.psu.edu/viewdoc/download?doi=10.1.1.558.1737&rep=rep1&type=pdf

Crosslinked Alkyl Acrylates as Used in Cosmetics

https://uridus.com/wp-content/uploads/2015/07/Crosslinked-Acrylates-Final-Safety-Assessment-2011.pdf

Eyelash enhancement properties of topical dechloro ethylcloprostenolamide

https://www.tandfonline.com/doi/abs/10.1080/14764170802054138

 

Posted by Medic