BG(1,3-ブチレングリコール)はほぼ安全|日焼け止めの成分チェック

BG(通称:1,3-ブチレングリコール)は、別名1,3-ブタンジオール、ブタン1,3-ジオール、1,3-ジヒドロキシブタンとも呼ばれ、化学式 C4H10O2、モル質量90.12 g/mol、CAS107ー88ー0で、無色液体無臭、化粧品、高分子材料、インキ、洗浄剤などにも使用されます。BG(1,3-ブチレングリコール)は基本的に安全でした。




BG:1,3-ブチレングリコールの詳細

化粧品によく含まれているBGは、1,3-ブチレングリコール(1,3-butylene glycol)は、化学式 C4H10O2、モル質量90.12 g/mol、CAS107ー88ー0、無色無臭の液体といった性質があります。1,3-ブチレングリコールはAmazonでは500ml約2500円で購入できるくらいに低コストで一般の方でも入手可能です。

成分の化学式や構造を見る限りでは悪さをしそうな感じはありません。結論を先に述べれば、BG(1,3-ブチレングリコール)は食べても大丈夫なくらいは安全でした。

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サニー

 

WHO、JECFAによるとADI(1日の摂取許容量)は、0~4mg/kgとされています。これは実際の体重に換算すると

  • 体重45kgの場合180mg
  • 体重60kgの場合240mg

で、1日にこの摂取量以下であれば死ぬまで毎日摂取し続けても問題はないとされています。

 

BG(通称:1,3-ブチレングリコール)は、化粧品としては保湿成分として添加され、グリセリンよりも使用感を改善できるものとして多く使用されています。

 

BGの安全性評価

以下WHO関連の文献などのデータによると

Several metabolic tests and feeding studies designed to study the acute and long-term toxicity of this compound in mice, rats, dogs, and cattle have demonstrated that at high dietary levels around 200 g/kg) this compound may produce ketosis. These studies have further established that 1,3-butane diol may be used as a source of energy in food; short-term metabolic studies in man show that up to 10% of total dietary energy may be obtained from it without any adverse effects.

Although the administration of 1,3-butane diol produced hypoーglycaemic effects in man and rat, there appeared no obvious adverse effects in humans ingesting up to 10% of their energy intake as 1,3-butanediol for 5 days, or in rats fed the material at a level of 100 g/kg of food for two years. In a two-year feeding study in the dog, 1,3-butane diol was added to their food at levels of up to 30 g/kg and no toxic effects were observed. Although there were considerable human data available, there were no long-term or reproduction studies available. The Committee therefore relied on the animal feeding studies and established an ADI for man of 0-4 mg/kg of body weight. A toxicological monograph and new specifications were prepared.

https://apps.who.int/iris/bitstream/handle/10665/41403/WHO_TRS_648.pdf;jsessionid=0FB3D08141AC8718E46E1E04FB7F4258?sequence=1

上記15ページ

マウス、ラット、イヌ、およびウシにおける、この化合物の急性および長期毒性を研究するために設計されたいくつかの代謝試験および摂食研究では、約200g / kgの高い食事摂取でケトーシスを起こします。これらの研究は、1,3-ブタンジオールが食品のエネルギー源として使用できることをさらに確立しています。人間の短期代謝研究では、食事の総エネルギーの最大10%まで悪影響なしに摂取できるかもしれないことを示しています。

1,3-ブタンジオールの投与は低血糖症を生み出します。人間とラットにおける血糖効果について、人間に明らかに悪影響のでる量を、1,3-ブタンジオールなどのエネルギー摂取量の10%までで、ラットで5日間、100g / kgのレベルで2年間与えた。犬を対象とした2年間の摂食試験では、1,3-ブタンジオールが最大30 g / kgのレベルで食物に添加され、毒性作用は観察されませんでした。利用可能なデータが多くありましたが、利用可能なより長期の研究、または、生殖に影響する研究はありませんでした。したがって、委員会は動物の摂食研究から、男性のADI:0〜4 mg / kg体重と推定しました。

 

人への摂取データ

ヒトに対して、食物の添加物として与えた場合は

デンプンのカロリー相当量を1,3-ブチレングリコールで置き換えて投与した栄養試験において、以下の結果が得られている。男女各12名に15g (総カロリー摂取量の5%相当量)の1,3-ブチレングリコールを与えた結果、負の窒素出納及び血糖の低下が認められた。1,3-ブチレングリコール摂取により空腹時に血清インスリン及び成長ホルモンの上昇が認められた。男女各10名に総カロリー摂取量の10%相当量の1,3-ブチレングリコールを5日間摂取後の空腹時及び糖負荷時に耐糖能を検査した結果、異常は認められなかった。

http://www.jpec.gr.jp/detail=normal&date=safetydata/abc/daaru2.html

以上にあるような

  • 血糖低下
  • インスリン分泌上昇
  • 成長ホルモン分泌上昇

などはあったものの、健康上問題があるといえるほどのことはなかったとのことです。発がん性なども特にないとされています。また、肌への刺激性もほとんどない物質で、植物(種類による)の持つ成分を抽出する際にも使用され、そのまま皮膚に塗布しても問題はないくらいの安全性があります。

 

ただし、BGが多く入っている化粧品は、粘膜、目などに使用することを想定されていない場合が多いため、少なくとも目に入れないようにしましょう。また、カミソリを使用した後などにBG含有量の多い化粧品を使った場合、一緒に配合されている他の成分などと合わせて肌荒れを起こす可能性はゼロではありません。

 

BG(1,3-ブチレングリコール)の肌へのアレルギー性もほとんどないですが、もしアレルギー反応や肌荒れが起きた場合はBG(1,3-ブチレングリコール)以外の成分を疑って、原因特定をすると良いでしょう。

 




参照・出典

KHネオケム株式会社

http://www.khneochem.co.jp/products/BG-P_jcat/

日本医薬品添加剤協会Safety Data

http://www.jpec.gr.jp/detail=normal&date=safetydata/abc/daaru2.html

WHO|JECFA

https://apps.who.int/food-additives-contaminants-jecfa-database/chemical.aspx?chemID=1579

Allergic contact dermatitis due to 1,3-butylene glycol

https://pascal-francis.inist.fr/vibad/index.php?action=getRecordDetail&idt=1476956

Contact dermatitis due to 1,3-butylene glycol

https://pascal-francis.inist.fr/vibad/index.php?action=getRecordDetail&idt=2791745

Production of 1, 3-butylene glycol

https://patents.google.com/patent/US2419300A/en

 

Posted by Medic