加水分解ヒアルロン酸アルキル(C12-13)グリセリルは問題なし|日焼け止めの成分チェック
加水分解ヒアルロン酸アルキル(C12-13)グリセリル(C12-13 Alkyl Glyceryl Hydrolyzed Hyaluronate)は、C14H23NNaO11、分子量404.32、白~淡黄色の特異臭がある粉末での保水力を高める役割がある添加物で、キューピー株式会社のヒアロリペアという製品として開発された物質です。
加水分解ヒアルロン酸アルキル(C12-13)グリセリルの詳細・基本情報
加水分解ヒアルロン酸アルキル(C12-13)グリセリル(C12-13 Alkyl Glyceryl Hydrolyzed Hyaluronate)は、C14H23NNaO11、分子量404.32、ヒアルロン酸にいくつかの疎水基やグリセリンが付与されているもので、保水、エモリエント剤として化粧品に添加されます。
肌の保水力をサポートする点に関してはキューピー株式会社の行った実験報告が公開されており、軽表皮水分蒸散率は、ヒアルロン酸Naではおよそ75%、ヒアロリペアはおよそ60%と、ヒアロリペアのほうが水分が蒸発して行く割合が低く、保水性が高いことが分かっています。
出典:https://www.kewpie.co.jp/finechemical/hyaluronic/hyalorepair.html
製造工程:https://www.kewpie.co.jp/finechemical/pdf/hyaluronic/hyalorepair_process.pdf
加水分解ヒアルロン酸アルキル(C12-13)グリセリルの安全性・リスク
ヒアロリペアという製品のSDSが、加水分解ヒアルロン酸アルキル(C12-13)グリセリルの毒性や危険性とほぼ同じで、
- 急性毒性 データなし
- 皮膚刺激性 皮膚刺激性:刺激性なし
- ヒトパッチテスト:異常なし
- 眼刺激性 刺激性なし(BCOP 法)
- 皮膚感作性 陰性(LLNA 法)
- 生殖細胞変異原性 データなし
- 発がん性 データなし
- 生殖毒性 データなし
- 特定標的毒性 データなし
- 吸引性呼吸器有害性 データなし
- 変異原性 Ames:陰性
引用元:https://www.kewpie.co.jp/finechemical/pdf/hyaluronic/fc_20190520_hyalorepair_SDS.pdf
唯一、うさぎに対する実験で、眼刺激性がわずかにあったとのことですが、皮膚刺激性はないため、人の皮膚に化粧品用途で使用される限りでは毒性の心配はありません。
化学構造もヒアルロン酸とグリセリンが主なので、そこまで毒性を示すことはないでしょう。
エタノールの残存あり
加水分解ヒアルロン酸アルキル(C12-13)グリセリルを主成分とするヒアロリペアには「エタノール」が0.1~1%ほど残存しているとのことです。このエタノール残存による影響が出る可能性があるため、ヒアロリペアのSafety Data Sheetにも記載があるように、
- 妊娠中の人
- 肝臓の持病がある人
などは、加水分解ヒアルロン酸アルキル(C12-13)グリセリルを大量に含む化粧品を誤って誤飲するようなことは避けたほうが良いです。
出典・参考
ヒアロリペアSDS
https://www.kewpie.co.jp/finechemical/pdf/hyaluronic/fc_20190520_hyalorepair_SDS.pdf
ヒアロリペア|ファインケミカル
https://www.kewpie.co.jp/finechemical/hyaluronic/hyalorepair.html