ポリビニルアルコールは基本的に安全・問題なし|日焼け止めの成分チェック
ポリビニルアルコール(polyvinyl alcohol)は、化学式(C2H4O)x、分子量約44(モノマー)、密度1.19 g/cm³のよく水に溶ける物質で、PVALと略されます。融点200度、引火点79.4度と燃えやすい物質なため火気厳禁です。
成分概要と特徴
ポリビニルアルコール(polyvinyl alcohol)は、化学式(C2H4O)x、分子量約44(モノマー)、密度1.19 g/cm³のよく水に溶ける物質で、PVALと略されます。融点200度、引火点79.4度と燃えやすい物質なため火気厳禁です。常温では白色~淡黄色の個体で、無臭、わずかに、特異臭があります。
その性質から、水に溶かせるプラスチックという異名もあり、化粧品には被膜形成目的に添加されます。
ポリビニルアルコールの危険性
ポリビニルアルコールはその性質より燃えやすいため、高温多湿環境での保管は禁止で、冷暗所で密閉が望ましいです。粉じん爆発を起こす可能性もあり35g/m2を下限として、保管時には注意が必要です。
水によく溶けて皮膜を形成するため、粉末を吸入、また、経口摂取するのは避けてください。皮膚刺激、眼刺激性も基本的にはないので、化粧品としての通常用途であれば問題ありません。
ポリビニルアルコールの急性毒性
ポリビニルアルコールは、ラットの実験にて
- (経口)LD50:2,000 mg/kg
- (経皮)LD50:2,000 mg/kg
で、眼刺激性と皮膚刺激性はうさぎの実験においてほぼ刺激はなかったとのことです。その他さまざまな研究(リンク)から、混合飼料として投与する場合の無毒性量(NOAEL)は、5000mg / kgとされています。
別の研究でも
(経口)LD50:15~20 g/kg
の範囲で、胃腸管からの吸収が少ないため、基本的に経口摂取による急性毒性はほとんど心配しなくて良いでしょう。
ポリビニルアルコールの環境毒性
ポリビニルアルコールは、魚類「ヒメダカ」に対して環境毒性があり
LC50:1,000mg/L
(48時間)
ということが分かっています。1L中に1gのポリビニルアルコールがあると環境毒性があるため、河川への流出などは極力避けましょう。ただし、一定期間経過すると分解されるため、直ちに悪影響が出るのは急性毒性が起こりうる場合のみと考えて良いでしょう。
出典・引用
Review of the oral toxicity of polyvinyl alcohol (PVA)
https://www.sciencedirect.com/science/article/abs/pii/S0278691502002582
Subchronic toxicity study in rats and genotoxicity tests with polyvinyl alcohol
https://www.sciencedirect.com/science/article/abs/pii/S0278691503000036
Efficient removal of toxic bromothymol blue and methylene blue from wastewater by polyvinyl alcohol
https://www.sciencedirect.com/science/article/abs/pii/S0167732215312484
Polyvinyl Alcohol|Special Edition Message & Re-review Summary
https://online.personalcarecouncil.org/ctfa-static/online/lists/cir-pdfs/PR758.pdf