シクロペンタシロキサンとは – 吸入NG【安全性・毒性評価】

シクロペンタシロキサン(Cyclopentasiloxane)は、分子式はC10H30O5Si5で、分子量は約370.76g/mol、融点はマイナス30度ほど、沸点は210度ほど、シリコン油脂とも呼ばれ、Siケイ素とO酸素が交互に結合しているシロキサンという物質が5つ環状に結合している物質です。日焼け止めクリームでは溶剤として使用され、揮発性、生分解性を有する物質として利用されます。

 

シクロペンタシロキサンの特徴と概要

シクロペンタシロキサンは、シロキサンの5量体D5で、デカメチルシクロペンタシロキサン(decamethyl cyclopentasiloxane)ともいわれます。分子式はC10H30O5Si5で、分子量は約370.76g/mol、融点はマイナス30度ほど、沸点は210度ほどです。

 

シクロペンタシロキサンは日焼け止めクリームのさらさら感を出し、手触りを良くしてくれる機能があります。ベタつかない日焼け止め、ベタベタしない日焼け止めは、溶剤としてはシクロペンタシロキサンが入っていますが、空気に触れて分解されてすぐに揮発するためサラサラした肌触りになります。




安全性と生分解性について

シクロペンタシロキサンは常温、空気中で比較的すぐに分解され人体にも自然界にも基本無害な二酸化ケイ素、CO2、H2Oなどに変化します。そのため、基本的に危険はない物質です。生分解性(Wikipedia)とは、簡単に言えば自然界で分解されて、環境を汚染せず、人体にも影響がない性質のことを指します。

 

シクロペンタシロキサン(D5:デカメチルシクロペンタシロキサン)は、人体の温度で分解されて揮発するので二酸化ケイ素が触れても影響がないのであれば、どこで使っても大丈夫です。

 

二酸化ケイ素(silicon dioxide)は絶縁体なため、電気工作やパソコンのマザーボードいじりなどしつつ、シクロペンタシロキサン入りの日焼け止めを使っていたら、もしかしたら通電しにくくなる箇所が出てきてしまうかもしれませんが、人体に影響があるわけではありません。

 

発がん性の危険について

シクロペンタシロキサンは直ちに二酸化ケイ素に分解されるため、危険性を考える場合は二酸化ケイ素(silicon dioxide)の危険性を把握するのが筋でしょう。

 

二酸化ケイ素は肺から吸引する場合に発がん性を持つことが分かっています。吸引によりがんを引き起こす可能性がありますが、腕や身体にシクロペンタシロキサンが入っている日焼け止めを使用してもさほど問題はないでしょう。

 

ただし、顔に塗る日焼け止めでシクロペンタシロキサンが入っていた場合、揮発性により生じる二酸化ケイ素をわずかながら吸引してしまう可能性があります。間接的に、わずかながら発がん性があると考えて注意しながら利用したほうが良いでしょう。

 

シクロペンタシロキサンが入っている日焼け止めを顔に使用する時は換気のできる環境で使用し、肌に馴染んだ時には既に揮発していますので、あまり吸い込まないようにした方が良いかもしれません。

 

Pubmed:Safety assessment of cyclomethicone, cyclotetrasiloxane, cyclopentasiloxane, cyclohexasiloxane, and cycloheptasiloxane.

参照URL:https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/22247236

EWG’s Skin Deep

参照URL:http://www.ewg.org/skindeep/ingredient/701741/CYCLOPENTASILOXANE/

 




内分泌かく乱物質のリスクについて

(引用)The Story of Cyclopentasiloxane (D5) Safety

In the SCCS report, there was a concern voiced that cyclopentasiloxane (D5) may contain trace amounts of cyclotetrasiloxane (D4), classified as an endocrine disruptor, based on evidence that it interferes with human hormone function and human fertility by the European Union.

日本語訳:SCCSの報告書では、シクロペンタシロキサン(D5)に、内分泌攪乱化学物質(人間のホルモン機能や人間の生殖能力を妨げる:EUの研究に基づく)として分類される微量のシクロテトラシロキサン(D4)を含むことが懸念されています。

まとめ直すと、シクロペンタシロキサンに、内分泌かく乱物質であるシロキサンの4量体:D4、シクロテトラシロキサンがわずかに含まれているかもしれないということです。これはホルモン分泌をおかしくしたり、生殖能力を妨げたりするため、女性にとっては生理不順などを引き起こす可能性があるということです。

 

生殖能力を妨げるとありますので、不妊、妊娠しづらい状態を招く可能性もあるということです。不安な方や、慎重にならないといけない状況にいる方はシクロペンタシロキサンが入っている日焼け止め、その他の化粧品を使わないようにしましょう。

 




Posted by Medic