トリエトキシカプリリルシランは研究不足・おそらく安全|日焼け止めの成分チェック
トリエトキシカプリリルシラン(Triethoxyoctylsilane)は化学式C14H32O3Si、モル質量の276.49g/mol前後の撥水性の被膜形成・結合剤目的で化粧品、日焼け止めに含まれる比較的安全な成分です。別名1-(トリエトキシシリル)-1-オクタノン(1-(Triethoxysilyl)-1-octanone)とも。
トリエトキシカプリリルシランの詳細・基本情報
トリエトキシカプリリルシランは
- 化学式C14H32O3Si
- モル質量の276.49g/mol
- CAS:2943-75-1
- 透明淡黄色
といった性質があり、酸化チタン、水酸化Alや二酸化マンガンなどをコーティングする成分として化粧品に配合されます。金属を含む成分は皮膚感作性が生じることがあるため、安定性を高めるためにトリエトキシカプリリルシランを添加していると考えても良いでしょう。
トリエトキシカプリリルシランの安全性・リスク
SCCSの研究によるとトリエトキシカプリリルシランは、
- 皮膚浸透性なし
- 皮膚感作性なし
- 毒性なし
で、酸化チタンの安全性(https://sunscreen-skincare.biz/safety-sio2-ingridients-contains)より、酸化チタンを日焼け止め成分として安全に使用するためのコーティング剤としてトリエトキシカプリリルシランが相性が良いと、SCCSが研究成果(リンク)を発表しています。
ただし、トリエトキシカプリリルシラン単体で完全に安全であるという報告はなく、調査研究も2021年時点の当職の調査では確認できませんでした。化学構造・性質を見る限りではよほどの危険なものではないと考えられます。
調べた限りでは欧州SCCSで、酸化チタンと合わせて使うためのものという印象がありました。コーティング剤、被膜形成剤としてそこまで危険性はないと思われます。
アリー
マリー
常識的な範囲でいえば、このトリエトキシカプリリルシラン入っていても、入っていなくても日焼け止めを使ったあとは寝る前に落としてから寝よう!
出典・参考
ナノマテリアルの安全情報
https://www.jcia.org/user/common/download/approach/nanomaterial/2017.pdf
化粧品表示名称 成分詳細|トリエトキシカプリリルシラン
https://www.cosmetic-info.jp/jcln/detail.php?id=5049
Sigma-Aldrichトリエトキシオクチルシラン
MERCK:リンク
トリエトキシカプリリルシラン|J-Global
https://jglobal.jst.go.jp/detail?JGLOBAL_ID=201207076714561784
Support for the Safe Use of Zinc Oxide Nanoparticle Sunscreens: Lack of Skin Penetration or Cellular Toxicity after Repeated Application in Volunteers
https://www.sciencedirect.com/science/article/pii/S0022202X18326551
Gene toxicity studies on titanium dioxide and zinc oxide nanomaterials used for UV-protection in cosmetic formulations
https://www.tandfonline.com/doi/abs/10.3109/17435390.2010.506694
Formulation Studies for Surface Modification and Application to Cosmetics of Jadeite Powder
https://www.koreascience.or.kr/article/JAKO201917970705909.page