酸化スズは金属アレルギーの方は少し注意｜日焼け止めの成分チェック

2021年8月1日

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酸化スズ（tin(IV) oxide）は、化学式O₂Sn、モル質量150.71g/mol、密度6.85g/cm³（24℃）で、常温では無臭灰色の粉末状の物質です。化粧品には、キラキラ感や光沢を出す目的で添加され、分類上は着色料とされています。

1. 酸化スズの特徴・性質
2. 酸化スズの危険性
3. 出典・引用

酸化スズの特徴・性質

酸化スズの危険性

単体のスズSnではなく、酸化スズでの話であっても、金属アレルギーがある方は、金属系の亜鉛やニッケル、銅、スズ色々と合わないケースは確かにあります。各自のアレルギー原因物質は異なるため、医師に診断してもらい、何のアレルギーがあるのか事前に調べておいてください。

人によっては金属ではなく、化粧品の基材や、別のものがダメだった、ということもありますので、全てを金属アレルギーのせいにはせず、各自の個人の体質に合わせて適切な化粧品を見つけてください。

酸化スズの使用限度量

洗い流す化粧品では0.4%まで、長時間つけたままにする化粧品では1.3%までの含有が認められています。

酸化スズは肺への毒性あり

酸化スズの粉末は、肺に対して、特定標的臓器毒性（反復ばく露）があります。ほとんどの場合、化粧品に含まれている分量ならば問題ないですが、化粧品を間違って吸入したり、酸化スズそのものを吸入したりするのは避けてください。

ラットの急性毒性（経口・吸入）

ラットの実験では

（経口）LD50：> 2,000 mg/kg
（吸入）LC50 (エアロゾル、4時間)：> 2.04 mg/L

というデータが発表されています。化粧品として含まれている場合には、経口摂取も吸入もなく、起きたとしても微量なので健康に被害はないでしょう。

ただし、赤ちゃんの誤飲などには十分に注意してください。

酸化スズの眼刺激性

(1) OECD TG 405に準拠したウサギを用いた眼刺激性試験で適用1時間後に軽微な結膜発赤及び浮腫がみられたが、24時間後には消失した (REACH登録情報 (Access on August 2019))。
引用元：https://anzeninfo.mhlw.go.jp/anzen/gmsds/18282-10-5.html

上記、引用元より、うさぎに対する実験では、一時的な発赤、浮腫が起こったとありますが、24時間後に消失したとあります。このため、酸化スズが入っている化粧品を目に入れないのは当然ながら、そもそも、化粧品を目に入れることのないよう、常識をもって化粧品を使用してください。

酸化スズの皮膚刺激性・感作性

(1) OECD TG 431に準拠し、人工皮膚モデル (EpiDerm) を用いたin vitro皮膚腐食性試験において3分及び60分ばく露後、生存率はそれぞれ>50％、>15％であった (REACH登録情報 (Access on August 2019))。
(1) OECD TG 429に準拠したマウス局所リンパ節試験 (LLNA) においてSI値は算出されず、陰性と判定された (REACH登録情報 (Access on August 2019))。
引用元：https://anzeninfo.mhlw.go.jp/anzen/gmsds/18282-10-5.html

酸化スズのみを高濃度の状態で行った実験では、特に問題と言える事象はなかったと言って良いでしょう。人工皮膚モデルに対しての腐食暴露実験は使用されている濃度が一般使用のそれとかけ離れているので、参考にするにはデータが不足しています。

一般的な化粧品に用いる濃度1.3%未満の含有量であれば問題はないでしょう。