人の肌の皮下組織の仕組みと構造　～顔と体で皮膚の厚さが違う理由～

2020年3月13日

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超音波断層撮影装置の測定によると、人の顔の皮膚の厚さは1.0mm～1.8mmで、年齢とともに皮膚の厚さは減っていく事がわかっています。体の皮膚は1.5mm～4mm、手のひらの表皮は0.8mｍ、足の裏の表皮は1.4mmで、ここに真皮の分の厚さが追加されます。

皮下組織には血管・毛母細胞もある

出典：あたらしい皮膚科学PDFより

皮下組織部分には、毛細血管、皮下脂肪、アポクリン汗腺、毛母細胞などが存在しています。皮膚の働きを支える縁の下の力持ちとも言えますが、皮膚の主要機能の要とも言えます。

簡単に言えば皮膚のメイン機能があるところ。

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アリー

アポクリン汗腺と皮下脂肪はこの皮下組織において同じ場所にあるため、脂汗が出るのも関係していると考えて良いでしょう。この皮下組織の下には筋肉組織があり、体の部位によっては2mm～4mmの深さの擦過傷、切り傷を負うと、筋肉組織が露出してしまいます。

エクリン汗腺（30～40μm）は表皮の下、真皮の層にあります。アポクリン汗腺よりも皮膚の浅い部分にあり、汗のほとんどはこのエクリン汗腺から出ています。

エクリン汗腺から出る汗は、主に体温調節のためにあり、水っぽく、ニオイもあまりありません。

アポクリン汗腺（80～100μm）は、皮下組織の近く、真皮の下層部にあります。アドレナリンが分泌された時に活発に活動したり、性ホルモンの分泌に携わったりしています。

脂汗はホロクリン腺から特殊な仕組みで分泌され、アポクリン腺は、エクリン腺とホロクリン腺の中間のような存在と言われています。

アポクリン腺からは、ストレスを受けた時の脂汗、フェロモンに近いものが分泌されると考えて良いでしょう。乳腺もアポクリン腺と関係が深いです。

人の顔の皮膚は、人間同士のコミュニケーションのため、表情筋などにより細かく変化させる必要があります。特に言葉を使ってコミュニケーションを取るようになってからは、声だけでなく、表情も合わせて意思疎通しないといけないため顔の皮膚が少し薄くなったと考えられます。

顔の皮膚が分厚すぎると表情が出しにくくなって、気持ちを上手く伝えられなくなります。その分、適度に皮膚が薄くなり、気持ちの細かな変化も伝えられるよう、社会的に進化、退化したと考えるのが自然でしょう。

たくさん表情筋を使って、いっぱい笑った人ほど、きれいに年老いて魅力的になりますよね。人柄が顔に出る、というのはあながち間違いではない。

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アリー

体の皮膚は、外敵、外界の刺激から体を守ったり、日焼けや化学物質から体を守ったりする目的があります。その分、皮膚が分厚くなって、特に背中やかかとなど刺激が多い部位は皮膚も厚くなります。この皮膚の厚さは多少なり個人差があり、生活、運動、プライベート、遺伝などで皮膚の厚さが変わります。

例えば、勉強をよくした人は、鉛筆によるタコのようなものができて、その部分だけ皮膚が硬く、厚くなります。他にも、手のひら、ひざ、ひじなどよくモノに当たるような場所も、体を守るために皮膚が厚くなります。

体の皮膚が厚いのは、体を守るため。

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アリー

生活環境の影響を受けて皮膚の厚さが変わってしまうため、美容を意識する際には皮膚に爪を立てないで洗ったり、きれいに見せたい部位は余計な皮膚刺激を与えないように洗ったりする必要があります。特に唇、頬、目尻は皮膚が分厚くなりやすいので、洗顔する時にも注意しましょう。

花王｜皮膚（肌）ってどういう構造をしているの？

日本人の面皮の厚さ

皮膚｜Wikipedia

皮膚のしくみとその機能

超音波断層撮影装置による顔面皮膚厚の測定

皮膚の組織学

Posted by Medic