肌の経皮吸収の嘘と真実【肌は化粧水を吸収しないってホント?】

皮膚に使用された薬剤は、表皮、毛根周辺、汗腺、細胞の間などから経皮吸収されていきます。局所的に、ゆっくりと皮膚から毛穴などを通じて毛細血管に化学物質が浸透し、経口摂取よりも効率的に患部に薬剤が届きます。欠点として皮膚がかぶれたり、皮膚に合わなかったりすることがありますが、適切な成分は化粧水などの成分でもお肌から一部浸透していきます。

間違っていたら、ご指摘願います。大筋、認識、イメージとしては合っているはず。

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アリー

 

表皮細胞・毛穴から吸収される

出典:あたらしい皮膚科学PDFより

皮膚に触れた成分は、皮膚そのものが持つバリア機能で吸収を阻害されることも多いですが、毛穴や表皮の角質層では浸透されます。

多少は経皮吸収されます。全てではありません。

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アリー

 

特に毛穴、毛のう、汗腺などは経皮吸収の最も主要な箇所です。

  1. 表皮
  2. 真皮
  3. 皮下組織
  4. 筋層

という順に皮膚の深部に到達しますが、毛穴から毛根に、毛細管現象などで成分が皮下組織までは到達できます。ここから毛細血管などに成分が浸透していきます。

 

もちろん、この時に浸透しやすい成分、浸透しにくい成分もあります。毛穴に汚れが詰まっていたり、皮脂汚れが毛穴に詰まっていたりすると、当然浸透過程がブロックされますので、薬剤成分が想定通りに浸透できません。毛細血管までは届かず、皮下組織や真皮段階で成分がとどまってしまい、細胞などに刺激を与えて炎症となることもあります。

不潔にしてたり、脂っこい食事ばかりだと毛穴に皮脂が詰まる。詰まると薬剤が通過できない。毛穴、狭いから。

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アリー

 

保湿スキンケアが大切

人の皮膚は、表面、深部に分かれており

  • 表皮
  • 真皮

のうちの表皮の最も外側、角質層が保湿されていないと、化学物質の成分が細胞への水分供与と合わせて、過剰に浸透してしまい、炎症を起こす可能性があります。

化粧水とかの水H2Oと薬剤が過剰に入るとそりゃあ炎症するさ。

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アリー

 

乾燥や脱脂は避けて

保湿されている場合

お肌の角質や毛穴周りが十分保湿されている場合、細胞にはハリが出ます。細胞質内などで水が適量含まれるので、ぷっくらして、細胞の持つパワーが最低限発揮できます。また、浸透圧などの関係で、細胞内に薬剤成分が過剰に浸透せず、適量ずつ、まんべんなく浸透していきます。

 

これなら、炎症を起こす可能性は最小限に、経皮吸収からの作用が期待できます。

適度な吸収は炎症にならない事が多い。相性はある。

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アリー

 

保湿されていない場合

画像はイメージです。乾燥すると、細胞本来の力が発揮できない状態になり、細胞質内のそれに応じて、吸収、処理できる栄養量も変わりますが、需要は変わらないのでキツキツの状態になります。死滅する細胞も出てきます。

乾燥した細胞が、お水と一緒に薬剤を吸いすぎると、当然良くない。細胞は物理的な水分吸収を拒否できないので、辛い。ストレスになる。

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アリー

 

そんな中で、水分と化学物質を含む化粧水などを肌に与えると、想定していなかった水分吸収とともに、化学物質の成分も想定より大量に細胞内に入ります。想定以上の薬剤は毒になり、炎症を起こします。目で見る限りでは水が足りてないように見えても、冬場や食生活によっては乾燥していてお肌にストレスが与えられています。

 

食事、経口摂取でのただの水分補給、余計な物が入っていない化粧水での保湿、適度な入浴、塩分の多い食事は取らないなどの工夫で対処しましょう。

 

スキンケアの4か条

お肌のケアでは、保湿と肌の生理機能(お肌本来のバリア機能)を高めましょう。(出典:経皮吸収製剤使用マニュアル

  • 皮膚の適切な洗浄
  • 物理刺激を与えない
  • 細菌を近づけない
  • 脱脂しすぎない

皮膚は皮脂、表皮角質層の細胞の水分などで複雑に保護されています。皮脂はお肌表面に存在して、悪い細菌から肌を守ってくれる表皮菌や日和見菌の栄養にもなって、保湿されていれば肌の細胞がフルパワーでお肌にくっついていられます。

 

多くの方は保湿ばかりを考えますが、適度な皮脂の存在も大切です。ホホバオイルやオリーブオイルも合わせて乾燥を予防するのが、一部効果的なのもこれが理由です。お肌に水分だけ与えても意味はありません。

清潔、保湿、適度な皮脂が大切。洗い過ぎは良くないの。

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アリー

 

物理刺激はできるだけ避けて

爪で引っかかない、やけどをしないように気をつける、爪を常に衛生的に保つなどお肌に物理的なストレスを与えないのも重要です。目に見えず、血が出ていなくても、目に見えない傷があれば、その修復のためにお肌がエネルギーを消費します。

 

外敵や細菌の侵入、再生の優先度などの関係で、皮膚の弱くなっている箇所から栄養補給、細胞分裂が進むため、傷が多いとそこばかりに栄養成分が使用されて、目的の箇所のスキンケアに及びません。

傷の治癒や再生が最優先になる?から、肌全体のレベルアップが遅れる。イメージとしては。

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アリー

 

出典

日本化粧品技術者会

https://www.sccj-ifscc.com/library/glossary_detail/485

トーアエイヨー|医療関係者向け情報|経口製剤と経皮吸収型製剤との違い

https://med.toaeiyo.co.jp/contents/tape-manual/tape-manual01.html

日本赤十字社|福井赤十字病院|経皮吸収製剤Q&A

http://www.fukui-med.jrc.or.jp/bumon/yakuzaibu/kusuri_qa/kusuri_qa_26.php

Posted by Medic