真皮の仕組みと構造&働き【乳頭層・乳頭下層・網状層】
真皮は、表皮の下、皮下組織の上に位置する皮膚の一部分で、エクリン腺、乳頭層、乳頭下層、網状層などが存在しています。表皮には毛細血管はあまりないですが、真皮部分には毛細血管が通っていて、真皮まで化学物質が届けば血液にもその栄養素が吸収されていく可能性があります。真皮は表皮細胞を生み出す部位でもあります。
真皮の構造と役割
真皮(dermis)には、主に以下の層があります。
- 乳頭層:papillary layer
- 乳頭下層:sub-papillary layer
- 網状層:reticular layer
これら以外に、エクリン腺のような分泌器官もあり、表皮の細胞を生み出す基底層とつながりもあります。日焼けしてしまった肌を早く白くしたい場合には、この真皮の活動を促進して、表皮の基底層などにできてしまった日焼け部分をさっさと角質層まで成長させてしまい、その間、真皮、表皮の基底層ではそれ以上日焼けしないようにする工夫が必要です。
構造としては
- 70%がコラーゲン
- エラスチン弾性繊維
- 細胞外基質マトリックス
- ヒアルロン酸
などが存在して、皮膚の弾力を保つのに一役買っています。毛細血管が通っている部位なため、きちんと食事、水分補給して、血流も整っていれば、真皮まではその栄養が行き渡り、その栄養で細胞をどんどん元気にし、新しくしていけます。根本的なスキンケアに欠かせないのが真皮です。
喫煙していると、この末端に当たる毛細血管が収縮して閉じてしまって、血液のめぐりも悪くなり、表皮がきちんと育たずに、表皮だけは減っていくことになるのでお肌がガサガサしたり、代謝の悪い部位には黒ずみやフケ、肌荒れが起きやすくなります。
こうして起きた肌荒れ部位をいくらピーリングしてもお肌はきれいにならず、無理にピーリングしてもお肌を傷つけるだけで意味がありません。スキンケアしたい箇所がある場合は、まずは食事、食生活から改善しましょう、と言われるのはこうした真皮の仕組みからも言われているわけです。
乳頭層
真皮の一番外側、表皮の基底層に接する部位です。毛細血管の末端、感覚神経の末端がある部位でもあります。Meissner小体、組織球、形質細胞、肥満細胞なども存在している部分で、この乳糖層から表皮が押し出されるように、生み出されていくというイメージで良いでしょう。
乳頭下層
乳頭層とほぼ同じような部位ですが、乳頭層を支えている基盤で、かつ、網状層とのつなぎ役を担っている部位です。毛細血管の少し太い部位、神経の末端よりも少し手前などがあり、中間組織というイメージが強いです。線維芽細胞が多く見られるのもこの乳頭下層です。
網状層
真皮のほとんどがこの網状層です。毛細血管のループする部分はここにはなく、ループする毛細血管の基盤となる部分を支えているのがこの部位です。コラーゲンやヒアルロン酸などもこの部位に多く、ぷるんぷるんのお肌を維持したければ、この網状層にきちんと栄養が行き渡るような食事・運動・生活を心がける必要があります。
膠原線維(こうげんせんい)
真皮の乾燥重量の70%がこの膠原線維だと言われています。膠原線維は直径2~15µmの繊維組織の繰り返しでできており、張力に強くて、伸展しにくく、まさに、皮膚の基盤となっている部分です。
3重らせんのコラーゲン構造が基本となって、Ⅰ型コラーゲンとⅢ型コラーゲンがこの膠原線維を主体となっています。真皮のコラーゲンは、この膠原線維だと思って間違いないです。
参考
真皮|Wikipedia
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E7%9C%9F%E7%9A%AE
花王|スキンケアナビ
https://www.kao.com/jp/skincare/skin/structure-04/
真皮の構造