表皮のケラチノサイトとは【角化:Keratinizationと肌のターンオーバーの科学】

表皮(epidermis)は、深い部分から基底層、有棘層、顆粒層、角質層と細胞が作られていきますが、この時、細胞群の配置や場所を固定しておくタンパク質をケラチンと呼びます。このケラチンの成長から剥がれ落ちるまでの事象が肌のターンオーバーで、ケラチンに関連する細胞をケラチノサイト、この現象を角化(Keratinizaion)といいます。

表皮の構造とケラチン

既出の通り、皮膚の構造は上記のようになっており、真皮周辺に日焼けの原因となるメラニン色素発生部位があり、そこにはケラチン生成部位もあります。皮膚の表面である「表皮」を作っている場所で、メラニンもケラチンも作られています。

 

角化(Keratinizaion)は、皮膚の入れ替えを行うために必要なもので、体の内部や真皮(dermis)よりも深い部位を守り続けるために必須の生態現象です。この働きにより、ダメージを受けた皮膚は回復でき、日差しが多い時は皮膚を守り、接触や刺激の多い部位の皮膚は堅く分厚くなります。

 

フケや皮膚がはがれるのは健康の証

ケラチンは、髪の毛にも皮膚にも含まれている人体にありふれたタンパク質で、およそ30日~45日程度で入れ替わります。部分的に皮膚が剥がれ落ちたり、ターンオーバーのタイミングが身体の各部位で異なる場合もありますが、結局はその人の栄養状態によります。

 

栄養状態が良ければ、必要な時に必要な分だけ皮膚が再生していき、ケアしていれば、皮膚へのダメージも減るので、美肌や、元々のその人の肌の色に戻っていきます。

 

美白できるとは限らない

皮膚が新しく作られるのは真皮(dermis)で、血管やリンパ管などがあるような部位です。そのため、その人の遺伝的な、生まれ持った色素、色は変えられず、どこまでも美白できるわけではありません。皮膚の栄養状態を良くすれば、その人の自然に近い状態の皮膚が出来上がります。

 

当然、しっかり栄養が行き渡っている皮膚細胞、ケラチノサイト類が生成されれば、お肌は弾力が増します。乾燥、水不足が多い場合は、カサカサした肌になりやすいです。これは生み出された時点の細胞の健康具合に大きく影響されるため、肌外部から栄養を与え続けても、死にかけ、または、もういつ剥がれてもよい角質層より少し奥の層までにしか栄養が届きません。

 

きれいな肌を維持するには

お肌を健康な状態に維持するためには、まず全身の健康を維持する必要があります。

  • 栄養バランスの良い食事
  • 適度な運動と発汗
  • 十分な睡眠
  • 適度なストレスや良質な環境
  • 衛生的な環境

まずはこうした基本中の基本を何とかするのが最優先事項です。その後、お肌の状態がよい所に、お化粧をのせれば、化粧ノリも良くなる上に、肌ストレスにも強い状態なので、肌荒れやニキビを予防することにもつながります。

 

まずは食事とバランスの良い栄養状態です。健康な皮膚細胞、ケラチノサイトを生み出す真皮と表皮の間に部分に栄養を届けるには、お肌の外側からでは届きません。身体の中から余裕と栄養がある状態にする必要があります。

近道も裏技もありません。基本に忠実に。

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アリー

 

出典・参考

あたらしい皮膚科学:第3版

https://shimizuderm.com/textbook03/pdf/1-03.pdf

https://shimizuderm.com/textbook03/pdf/1-02.pdf

美しい皮膚表層の高分子|角化の仕組み

https://www.jstage.jst.go.jp/article/kobunshi1952/47/10/47_10_746/_pdf

 

Posted by Medic