ステアリン酸グリセリルは安全|日焼け止めの成分チェック
ステアリン酸グリセリル(Glyceryl Stearate)は、化学式C21H42O4、分子量358.55、融点55~65℃、白~淡黄色の常温固体、化粧品ではエモリエント剤、乳化剤として利用されますが、可燃性固体でもあるため、火気厳禁。肌への刺激性や眼刺激性はなく、経口摂取も基本問題ない物質です。
ステアリン酸グリセリルの詳細・基本情報
ステアリン酸グリセリル(Glyceryl Stearate)は、化学式C21H42O4、分子量358.55、融点55~65℃、白~淡黄色の常温固体、化粧品ではエモリエント剤、乳化剤として添加されます。
添加した後にかき混ぜる必要があまりない、自己乳化型Self-Emulsifyingの添加物であるともいわれていますが、全くかき混ぜが不要なわけではなく、他のものに比べると容易に乳化剤として働くというものです。
ステアリン酸グリセリルの安全性・リスク
The placebo cream contained less than 0.9% peppermint oil, emulsifiers, emollients as well as stearic acid and glycerol stearate. Subjects were told to generously apply the cream to their painful knees, and to repeat cream application as necessary (it was estimated that on average 30 mg glucosamine, 78 mg chondroitin and 320 mg camphor were applied each day). The study lasted eight weeks and fifty nine subjects (of 63) completed the study. Reduction of pain associated with knee osteoarthritis was statistically significant for the group receiving cream containing glucosamine/chondroitin/camphor (Cohen et al. 2003).
引用元:https://www.takethepainaway.ca/motion-medicine/safety-and-efficacy
ステアリン酸グリセリルを含む塗り薬を、プラセボグループに使用している事例では、変形性膝関節症の治療目的で効果がある成分を使用している群を比較して、肌荒れやアレルギーなどを示した例がなく、少なくとも膝周辺への使用で問題はないと言えます。総じて、体の皮膚(顔以外)では同様に、ステアリン酸グリセリル添加の化粧品で、皮膚の厚さの関係から問題は起こらないと判断できます。
Glycol Stearate (Glyceryl Monostearate) (current percentage unknown)
Safety: topical glyceryl monostearate
– glyceryl monostearate is safe for use in cosmetic formulations (Int. J. Toxicol. 2004)
Material Safety Data Sheet (100% glyceryl monostearate)
Safety/Toxicity Studies
– repeated or prolonged exposure is not known to aggravate medical conditions
引用元:https://www.takethepainaway.ca/motion-medicine/safety-and-efficacy
また、構造上、及び、既に行われている研究から、ステアリン酸グリセリルは化粧品利用に関しては危険性はないとされています。
日光ケミカルズ株式会社の安全データシート[出典]では、ステアリン酸グリセリルは、
- 経口摂取は避ける
- 目に入れない
- 吸入しない
- 火気厳禁
との記載があります。
また、ラットの場合の経口急性毒性LD50は5000mg/kg以上で、経皮毒性はなし、燃焼した場合(ステアリン酸グリセリルは可燃性固体)の危険物質は一酸化炭素と窒素化合物です。ウサギに対しての実験では一定の含有率では眼刺激性もなく、皮膚刺激性もなく、慢性的な経口摂取があっても3世代生殖毒性や生態毒性はなかったとのことです。ステアリン酸グリセリルは発がん性もありません。
ラットの急性毒性5g/kgは、そのまま体重50kgの人に当てはめるとLD50は250gということになります。化粧品100g中に含まれるステアリン酸グリセリルはそこまで多くもないため、一気に150gのステアリン酸グリセリルを摂取することはできません。
出典・参考
An Evaluation of Acute Hydrogen Sulfide Poisoning in Rats through Serum Metabolomics Based on Gas Chromatography-Mass Spectrometry
https://www.jstage.jst.go.jp/article/cpb/62/6/62_c13-00988/_article/-char/ja/
Comparison of objective and sensory skin irritations of several cosmetic preservatives
https://onlinelibrary.wiley.com/doi/abs/10.1111/j.1600-0536.2007.01001.x
Safety and Efficacy Data of the Constituent Ingredients of Motion Medicine
https://www.takethepainaway.ca/motion-medicine/safety-and-efficacy