ポリブチレングリコール/PPG-9/1コポリマーはほぼ安全|日焼け止めの成分チェック
ポリブチレングリコール/PPG-9/1コポリマー(Polybutylene Glycol/PPG-9/1 Copolymer)は、ブチレングリコール(BG)とプロピレングリコール(PG)の共重合体で、化粧品やシャンプーにはエモリエント剤として利用され、特段化粧品に含まれている含有量では害はありません。ポリブチレングリコール/PPG-9/1コポリマーの抗生物質2種についても危険性・毒性はかなり低いです。
ポリブチレングリコール/PPG-9/1コポリマーの詳細・基本情報
ポリブチレングリコール/PPG-9/1コポリマー(Polybutylene Glycol/PPG-9/1 Copolymer)は、ブチレングリコールとプロピレングリコールが共重合体として合わさっているもので、重合度の平均が、ブチレングリコールは9、プロピレングリコールは1です。混ざりあいの詳細は明確に定義できないもので、安全性に関する研究論文はほとんどありませんでした。
ブチレングリコールは、BG(1,3-ブチレングリコール)とも呼ばれる物質でほぼ安全です。
出典:https://sunscreen-skincare.biz/butylene-glycol-safety-ingridients-makeup
プロピレングリコールは、PG(propylene glycol「プロパン-1,2-ジオール」)とも呼ばれ、眼刺激性があり、子どもの誤飲はNGですが、化粧品に使用される程度の量では毒性はない物質です。
出典:https://sunscreen-skincare.biz/propylene-glycol-safety-ingredients
ポリブチレングリコール/PPG-9/1コポリマーの安全性・リスク
日油株式会社の化粧品処方集[出典]によると、マスクの摩擦や乾燥によるメイク崩れを抑制するミスト製品には、ポリブチレングリコール/PPG-9/1コポリマーは0.3%(wt%:質量分率)のみ含まれていると公表されています。これは100gの化粧品には0.3gしか含まれていないということで、非常に少量です。
刺激性があるプロピレングリコールにおいて、急性毒性LD50は、体重50kgの人の場合
- 経口摂取:1,000g/50kg
- 経皮吸収:1,040g/50kg
なため、1kgの化粧品を丸飲みしたとしても、ほぼ不可能ですが、可能性としてポリブチレングリコール/PPG-9/1コポリマーからプロピレングリコールを摂取できる量は3gのみで、LD50に達するためには333kgは同じ化粧品を一気飲みする必要があります。
一気飲みし終える頃には、別の症状(その化粧品に含まれている別の成分の過剰摂取、及び、胃の破裂、及び、嘔吐)が出て救急搬送されます。
化学的構造上、OH基とメチル基があるくらいで、多少親水性を持ちそうですが、激しい反応性はなく、危険はほとんどないでしょう。
ただし、ポリブチレングリコール/PPG-9/1コポリマー単体を試料として、毒性調査を行った研究は見つけられなかった上に、研究されていない、調査されていないというのはリスクはある状態です。特定の他の化粧品成分と、光を浴びた時に結合して肌刺激を生み出す可能性をゼロにできていないとか、目に入った場合の症状や症状発生率が分かっていないのは良いことではありません。
出典・参考
化粧品処方集|日油株式会社
https://www.nof.co.jp/cosmeticlounge/pdf/presctiption_jpn.pdf