イソプロパノールは皮膚にはセーフだけど誤飲禁止|日焼け止めの成分チェック

イソプロパノール(isopropanol)は、化学式C3H8O、モル質量60.10 g/mol、密度0.78g/cm3で、常温で無色の液体。化粧品には溶剤や防腐剤目的で添加され、11℃で引火するため火気厳禁。また、脱脂作用と速乾性があるため皮脂汚れを落とす時にも活用できますが、眼刺激性あり、内服厳禁です。

イソプロパノールの詳細・基本情報

イソプロパノール(isopropanol)は、化学式C3H8O、モル質量60.10 g/mol、密度0.78g/cm3で、常温で無色の液体。正式には2-プロパノール(2-propanol)、別名IPA、イソプロピルアルコールとも呼ばれます。エタノール同様手指などの消毒ができるが、内服は禁止で、脱脂作用があり11℃で引火する可燃性の物質です。

 

化粧品に含まれる場合は、溶剤としての目的が強く、水とも油脂とも混ざり合います。脱脂作用があって、速乾性であるため、お肌の必要な油脂まで取り去ってすぐに乾きますが、これが逆に肌に悪影響を及ぼす場合があります。一般利用の範囲ではすぐに揮発するため、肌から吸収されることはありません。

イソプロパノール入りの化粧落としなどであれば、油脂や皮脂を取り除きつつ、すぐに揮発するのでお肌への害はほとんどありません。この拭き取る系の化粧落としを数時間肌につけっぱなしにするのは、イソプロパノール関係なく、お肌に優しくありません。

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サニー

 

イソプロパノールの安全性・リスク

刺激性が強いため、傷口や経口摂取は禁忌です。第二級アルコールで、メタノール、エタノールの次に来るのがイソプロパノールです。引火性があるため、引火性液体を分類する危険物乙種第四類に属していますが、保管方法を間違えなければ、イソプロパノール単体の物品でも安全管理をしつつ保管可能です。

 

誤飲・経口摂取で昏睡または死亡

A toxic dose of isopropyl alcohol was ingested by six male mongrel dogs to evaluate the relationship between acetone production and isopropyl degradation. Maximal serum isopropyl levels were achieved approximately 2 to 3 hours after ingestion of 60 mL of 70% isopropyl alcohol.

引用元:https://www.sciencedirect.com/science/article/abs/pii/073567579290208F

mongrel dogsに、70%濃度のイソプロパノールを60ml摂取させると、2時間から3時間で毒性による症状が現れるとのことです。上記の実験ではイソプロパノールの分解に伴うアセトン生成量を研究して治療に生かそうとするものです。

 

イソプロパノールの誤飲により昏睡状態に陥る事例(リンク)もあり、イソプロパノールの誤飲による死亡例では、死者の体内にアセトンが生成されることがほとんどだとの報告(リンク)があります。少量であってもイソプロパノールを経口摂取してはならず、海外などで作られている密造酒や質の悪い酒などには注意すべきだという教訓もあります。

 

生殖毒性がわずかにある

Increased mortality was observed in the high-dose F1 offspring during the early postnatal period, although no other clinical signs of toxicity were observed in the offspring of either generation. In addition, offspring body weight was reduced during the early postnatal period in the high-dose F1 males and in the high-dose F2 pups of both sexes.

引用元:https://analyticalsciencejournals.onlinelibrary.wiley.com/doi/abs/10.1002/jat.2550150210

ラットに対して行われた実験で、1日1回0、100、500、1000mg/kg体重と分けて、生殖前に強制経口摂取させた所、摂取濃度の高いグループではF1子孫の死亡率が僅かに増加し、生まれてきた子孫の体重減少も確認されたが、その後の生育は問題なかったとの結果があります。

 

イソプロパノールは皮膚への使用では特に心配はないですが、顔へ使用する化粧品にイソプロパノールは入っていないほうがよく、子どもが間違って飲んでしまうのは非常に危険なので、イソプロパノールは添加されている化粧品は、子どもの手の届かない所に置いておいたほうが良いです。

化粧品の成分を把握していない、または、確認が面倒な場合は、子どもの手の届く所に化粧品を置かないくらいの注意をしないと、最悪の場合、子どもがイソプロパノールの誤飲で昏睡、または、死亡という事態になります。

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アリー

 

出典・参考

Serum determinations in toxic isopropanol ingestion

https://www.sciencedirect.com/science/article/abs/pii/073567579290208F

Two-generation reproduction toxicity study with isopropanol in rats

https://analyticalsciencejournals.onlinelibrary.wiley.com/doi/abs/10.1002/jat.2550150210

Peritoneal dialysis for isopropanol poisoning

https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC1274122/

Isopropanol intoxication: managing the coma

https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/3930536/

Isopropanol and isopropanol deaths-ten years’ experience

https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/7119710/

Posted by Medic