キシリトールは安全・わんこにはダメ|日焼け止めの成分チェック
日焼け止めや菓子類に入っていることの多いキシリトールは人間に対してはLD50|1g/kg体重以下であれば害はありません。光毒性もそこまで気にすることはないですが、ペットの犬がキシリトール入り日焼け止めを塗った肌を舐め回すのは良くないです。注意してあげてください。
キシリトールの性質・特徴
キシリトール(xylitol)は、化学式C5H12O5、モル質量152.15 g/mol、融点92~96度の透明な結晶になる物質です。主に清涼感を感じる甘味料として利用されているのは周知の事象で、多少下剤の働きがあります。
一度に大量に摂取するとお腹がゆるくなる可能性がありますが、適量摂取する分には害はほとんどありません。血糖値の上昇幅は低く、虫歯菌(Streptococcus mutansなど)の生育の一部に働きかけて、その活動を抑制すると言われています。
キシリトールの入っているガムを食べていても虫歯はなくなりませんが、虫歯菌の生育は一部弱まるため、予防としては活用できます。一部、キシリトール入りのガムを食べているから、虫歯にならないと勘違いしている方がいますが、キシリトール入りのガムに通常の砂糖などが入っていれば、虫歯になる可能性はあります。
カバノキから取れる
キシリトール(Xylitol)は、バラ類>マメ類>ブナ目>カバノキ科>カバノキ属(Betula)に属する「カバノキ」からも抽出できる天然の甘味料です。工業的に生み出されるキシリトールもありますが、天然由来のものは北欧諸国でよく利用されているそうです。
参考|カバノキ属
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%AB%E3%83%90%E3%83%8E%E3%82%AD%E5%B1%9E
キシリトールの安全性・リスク評価
キシリトールは、人体にはほとんど害はない(LD50|1g/kg体重)ですが、動物の一部には毒となる事例があります。多くの動物にとって、LD50|1g/kg体重以下の摂取量であれば、慢性的に摂取しても、急性毒性も、慢性毒性も示さなかったとの研究結果が示されています。
ペットで「イヌ」を飼育している方は、キシリトール入りの日焼け止めを使わないほうが良いでしょう。わんちゃんとの遊び、さんぽ、コミュニケーションとして、キシリトール入りの日焼け止めごと腕や顔を舐め回された場合、微量でもイヌにとっては毒性がある可能性があります。全身舐め回されることはないと思いますが、少しでも避けていたほうが良いでしょう。
キシリトール毒性|うさぎ
うさぎに対して行われた実験では、87 mg/kg体重/minの速度で、50%濃度溶液を注入した場合、急性毒性LD50|4〜6 gキシリトール/ kg体重となりました。
★キシリトール毒性|いぬ
いぬがキシリトールを摂取すると、0.1g/kgという摂取量でも低血糖を起こす事がわかっています。また、0.5g/kgを摂取した犬は急性肝不全を起こす可能性が急激に高まります。どんなに微量でも、キシリトール入りのものはイヌには与えないようにしてください。
※論文研究した限りでは、いぬにはキシリトールはダメ!と分かりました。ねこは特に急性毒性はないようですが、心配な方はむやみに与えないようにしましょう。特に、人間の食べるガム、キャンディをペットに与えてしまうと思わぬ弊害を生む可能性がありますので、人の食べ物はペットにはあまり与えないようにしてください。
参考
キシリトール|Wikipedia
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%AD%E3%82%B7%E3%83%AA%E3%83%88%E3%83%BC%E3%83%AB
Mechanism of xylitol toxicity in the rabbit
https://www.sciencedirect.com/science/article/abs/pii/0026049573900619
Xylitol toxicity in dogs
Xylitol|Topics in Companion Animal Medicine
https://www.sciencedirect.com/science/article/abs/pii/S1938973613000305
Xylitol Absorption in Healthy Men
https://diabetes.diabetesjournals.org/content/22/4/279.short
Xylitol Production by Recombinant Saccharomyces Cerevisiae
https://www.nature.com/articles/nbt1191-1090