タルクを含む製品は吸入しないこと|日焼け止め・化粧品の成分チェック
タルク(Mg3Si4O10(OH)2)とは、中国、インド、パキスタン、イタリア北部などで採取可能、珪酸塩鉱物の中でフィロケイ酸塩鉱物に分類されるもので、簡単に言えば石です。この粉末を化粧品関連の分野では「タルク」と呼び(別名:蝋石)、脂肪感がある見た目と化学的な安定性が見込まれて化粧品にも使用されます。
石の粉末です。高品質なタルクはほとんどリスクはないです。
アリー
タルクとは
タルクは石
タルクはケイ酸塩鉱物に分類され、結晶は 単斜晶系・三斜晶系、
- Mg3Si4O10(OH)2
- モース硬度:1
- 比重:2.7
などの特徴・性質を持ちます。人間の爪のモース硬度は約2.5なので、純度の高いタルクは人の爪でも傷つけられるくらいに柔らかいものです。
チョークや粘土のような感じです。磨くと勾玉みたいにもなります。
アリー
タルクの製造過程
タルクは以下のような工程で製品として世に出回ります。この時点ではまだ粉末のままなので、化学的に処理される場合は、このあとの工程で、製造工場などで精製が行われます。
- 原料購入
- 粗粉砕&異物除去
- 一次粉砕
- 二次粉砕
- 除鉄
- 三次粉砕
- 製品検査
この時点では粉砕しかしておらず、除鉄作業くらいしか挟んでいない(それくらいしか物理的にできない)ため、品質の悪いタルクを仕入れている会社がいれば、そこが悪いです。品質によってはアスベストを含むため、タルクの製造工場の職員も健康被害を被る可能性があります。
ただし、石系の粉砕系工場では、どんなものでも吸入しないのが基本です。アルミニウムもマグネシウムもどんな金属系、石系の粉末も結局、石、金属なため、触媒として作用したり、吸入により代謝できずに悪影響を及ぼすのは当然といえば当然です。きちんとした安全管理がされていれば、問題はないでしょう。
製造工場で入荷後の検査で品質の良いもの悪いもの分けられるので、リスクはそんなに気にしなくて大丈夫。
アリー
タルクの安全性評価
純度の高いタルク、余計な混ざりものが少ないタルクは安全性が高いですが、純度の低いタルクはアスベストなどの成分を含むとされ、わずかながらリスクがあります。万が一含まれていたとしても、化粧品として使用されるタルクは、製造過程で精製されるため大量に異物のアスベストを含むことはないでしょう。
純度の低いタルクはアスベストを含むので危険です。ファンデーションで純度の低いタルク入りのものを顔に塗るなんてもってのほか。
アリー
中国では、利尿作用、消炎作用があるとされていて、名前と性質が異なる少し似たタルクは漢方にも用いられます。
化粧品としては
- ファンデーション
- ボディパウダー
- アイシャドウ
- 口紅
- アイライナー
などに利用されている事が多く、化学的に反応せず、1日程度で洗い落とされるため、このタルクが人体に悪影響を及ぼす可能性は低いです。
化粧品は毎日落とさないといけないのは、こういうのがあるからです。長時間つけているとリスクがあるからです。
アリー
吸入しないこと
万が一に備えて、タルクを含む可能性のある「ファンデーション・ボディパウダー」など粉っぽいものは吸入しない(鼻から吸わない)ようにしましょう。アスベストをわずかに含む場合、慢性的に使用していれば害があります。
肌に使うくらいならば、1日で化粧落としで取り除かれると思いますが、子どものオモチャにされて、子どもが粉末をばらまいて遊んで、誤って吸ってむせていた場合は非常によろしくない影響を及ぼす可能性があります。
ファンデーションを子どもが誤って吸入とか、起こりえます。十分注意しましょう。
アリー
出典
Talc|Mg3Si4O10(OH)2
http://www.handbookofmineralogy.org/pdfs/talc.pdf
滑石
日本タルク株式会社